1章推薦システム

本章では、推薦システムの役割についてYouTubeやAmazonなどの実際のサービスの事例を紹介しながら概要を説明します。なぜ推薦システムを導入するサービスが多いのか、ユーザーにどのような価値を届けるのかといった推薦システムの役割について俯瞰したいと思います。

1.1 推薦システム

推薦システムは、私たちが次に何をしたら良いかをサポートしてくれる仕組みとして、身の回りのさまざまなサービスに組み込まれています。「Amazonのこの商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています(図1-1)」「YouTubeのあなたへのおすすめ」「Twitterのおすすめユーザー」「Spotifyのおすすめ」などの推薦システムは、ほとんどの方が使ったことがあるのではないでしょうか。

「Amazonのこの商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」の推薦例(出典:<a href="https://www.amazon.co.jp/" class="link">https://www.amazon.co.jp/</a>)

図1-1 「Amazonのこの商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」の推薦例(出典:https://www.amazon.co.jp/

ユーザーにとっては膨大な量の商品や動画の中から、自らキーワードを入力して、好みのものを探し出すのは困難です。推薦システムがあることで、ユーザーは特にキーワードの入力をしなくても、お目当てのアイテムに出会うことができます。

一方で、企業にとってはどのアイテムを購入するかといった意思決定を支援するとともに、より多くの商品が買われたり、長い時間ウェブサービス内に滞在してくれたりするようにしています。Netflixでは推薦システムを中心に設計されており、ユーザーが検索キーワードを入れて検索しなくても、好みの作品を視聴できるユーザー体験になっています( ...

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