3章ビジネス上の良い問いの立て方
「2章 分析的思考入門」では、これからの章で発展させていく枠組みの基本的な部分を駆け足で説明してきた。私たちの最終目標はビジネスの問題を処方的なソリューションに書き換えることなので、まず、正しい問いの立て方を学ぶところからスタートしなければならない。問いの立て方を学ぶことが、これからの章で説明するテクニックを取り入れることと同じぐらいの力を持つと言っても驚かないようにしていただきたい。
「2章 分析的思考入門」では、本当に達成したいことを理解するために役立つなぜなぜ分析という非常に単純なテクニックも紹介した。自分が達成したいと思うことについてその理由を考え、答えが出たらさらにその答えの理由を考える。ビジネス目標が本当に正しいという確信が持てたところで終了する。処方的なソリューションを見つけるための長い旅では、正しい目標に向かっているという保証を得ることがきわめて重要だ。この作業は副次的に、一般にアクション、レバーの選択肢が広がるという「4章 アクション、レバー、意思決定」でもとても役に立つ。問題を立てるところからスタートし、どうしても変えたい指標は何かを明らかにするところまで進めば、普通はそうなる。同じ目的のために使えるほかのアクションはないかを考えていけば、自然に選択肢は増えるだろう。この章では、優れたビジネス上の問いを立てるためのベストプラクティスについても詳しく説明していく。記述的、予測的、処方的な問いの違いを理解した上で、一般的なユースケースについての具体例を挙げて締めくくろう。取り上げるユースケースは、私自身が経験したもの、学生や同僚と議論したものから、本に載せるべきもの、方法を理解するために役立つものを選んでいる。しかしまず、ビジネス上の問いがどこから生まれるかをより深く理解しなければならない( ...
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