2章分析的思考入門

前章では、分析的思考とはビジネスの問題を処方的ソリューションに書き換える能力だと定義した。この定義から導き出されることはたくさんある。この章ではそれを明らかにする。

処方的ソリューションの力を本当の意味で理解するために、まずビジネス上の意思決定の分析にかならず含まれる3つの段階を精密に定義する。それは、「1章 分析的思考とAIドリブン企業」ですでに触れた記述的、予測的、処方的段階である。

分析のための必須スキルには、まず最初に正しいビジネス上の問いを組み立てられる能力が含まれるので、このテーマについても簡単に触れておく。ネタバレになるが、本書で扱うビジネス上の問いは、意思決定を含むものだけだ。次に、意思決定をレバー(アクション)、帰結、ビジネスインパクトに分割する。レバーと帰結は因果関係によって結ばれている。そのため、このテーマの説明にはかなりの時間を費やすことになる。最後に、意思決定において不確実性が果たす役割について述べる。これらのテーマは、本書全体を通じて伸ばしていく1つのスキルにつながっていく。

[注記]

レバーとは何か

本書における“レバー”とは、“アクション”や“意思決定”のことであり、“あるビジネス上の成果を得るために、レバーを引きたい”という表現は、適切なアクションや判断を探しているという意味である。

2.1 記述的、予測的、処方的な問い

「1章 分析的思考とAIドリブン企業」では、一般にデータ成熟モデルが記述的段階からスタートし、長い予測的段階を経て最終的に処方的段階の頂点に上り詰めるなだらかな道のりを描くと言った。しかし、なぜそうなのだろうか。まず、これがどういう意味なのかを理解する必要がある。すると、評論家や実務者がデータ発展の自然な過程はこのようなものになると考えているのはなぜかを考えられるようになる。 ...

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