ルール1できるだけ単純であるべきだが、単純化してはいけない
プログラミングは難しい。
難しい、ってことを、きみはとっくに探り当ててる。それがぼくの推測だ。『ルールズ・オブ・プログラミング』と題された書籍を手に取って読む者全員に、おそらく以下2点が両方とも当てはまる。
- プログラミングがちょっとくらいはできる。
- プログラミングがこれ以上簡単にならないので、イライラしている。
プログラミングが難しい理由はたくさんある。プログラミングをもっと簡単にしようと試みる対策もたくさんある。本書で見ていくのは、以下2つだ。まず、物事を台無しにしてしまうありがちなやり方がいろいろある中から選りすぐった部分集合としての、各種間違い。それから、そんな各種間違いを避けるためのルール群だ。全て、ぼく自身が間違っていた件から、他の連中の間違いに対処した件まで、ぼくの長年の経験から引っ張ってきたものだ。
数々のルールには、全般的なパターンというか、ほとんどのルールに共通するテーマがある。この共通テーマを一番適切に要約しているのは、アルベルト・アインシュタイン†1の、理論物理学者が目指すゴールを説明した引用文「できるだけ単純であるべきだが、単純化してはいけない」†2だ。その引用文でアインシュタインが言いたかったのは、「最も優れた物理学理論とは、全ての観察可能な現象を完全に記述する、最も単純な理論である」ってことだ。
†1 訳注:Albert Einstein。ドイツ出身のアメリカ合衆国の理論物理学者(1879-1955)。著者注の引用文(As simple as possible, but no simpler)は、オックスフォード大学での講演を収めた “On the Method of Theoretical ...
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