第I部適切な機械学習アプローチの特定

ほとんどの個人や企業は、どのような問題を解決したいのかを十分に理解しています。例えば、どの顧客がオンラインサービスの利用を停止するかを予測したり、スキーヤーを追跡するドローンを作ることができます。同様に、与えられたデータセットから顧客を分類したり、適切な精度で物体を検出するモデルの学習方法を、誰でもすぐに学べます。

しかし、問題を取り上げ、それを解決するための最善の方法を推定し、MLを使ってそれに取り組むための計画を立て、それを自信を持って実行できる能力は、モデルの学習よりもずっと貴重です。これは、野心的なプロジェクトに何度も参加し、厳しい締切に奮闘するような経験を通じてしか学べないスキルです。

とある製品に対して、潜在的な解決策が多数存在します。図Ⅰ-1では、左側にライティング支援ツールの実行例を示していますが、ここでは提案とフィードバックの機能を示しています。右側では、そうした提案を提供するためのMLアプローチ例を示しています。

製品に組み込まれるML

図I-1 製品に組み込まれるML

このセクションでは、この潜在的なアプローチと他のアプローチとを比較して、どちらを選択するか決定する方法について説明します。次に、モデルのパフォーマンスメトリクスと製品要件とを一致させる方法について説明します。

そのために、2つの連続したテーマに取り組みます。

1章 製品目標からMLの枠組みへ
この章の終わりまでには、アプリケーションのアイデアを取り上げ、それが実現できるかを推定し、そのためにMLが必要か否かを判断し、どのようなモデルから始めるのが最も理にかなっているかを考えられるようになります。 ...

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