8章良い影響力を広げる

周囲の人たちのスキルを上げるにはどうしたら良いでしょうか。スタッフエンジニアであるあなたの仕事には、同僚がより良い仕事をし、より良いソリューションを生み出し、より良いエンジニアになるのを可能にすることが含まれます。できる限り最高の仕事を行い、他の人にそれを見せることを通して、エンジニアのロールモデルになるという考え方は、すでに前の章で説明しました。この章では、その続きを話していきます。私たちは、誰かが他の人にしてもらいたい振る舞いをしているとき、その人には「良い影響力がある」と表現します。

しかし、この章ではそれをさらに推し進め、良い影響力を使って他の人のスキルや組織のエンジニアリング文化を向上させる、より積極的な方法について見ていきます。

8.1 良い影響力

自分よりスキルが不足していたり、水準が低かったりする人と一緒に仕事をするときには、イライラせず、相手のレベルを上げるために時間をかけましょう。

なぜ他のエンジニアがより良い仕事をするのを助けるのがそんなに重要なのでしょうか。1つ目の理由は、エンジニアとして良い仕事をするには、自分だけでこなせる範疇を超越していくことを必ず求められるようになるからです。同僚がより良い仕事をしてくれれば、あなたもより良い仕事をできます。非凡なソロアーティストのようなエンジニアもいますが、どんなに強力なソロアーティストでも、一人では解決できないほど大きな問題に直面することがあります。同僚がより良いエンジニアになるのを手助けできれば、より有能な人々と仕事をできるようになり、それはあなた自身の仕事をより簡単に(そして面倒を少なく)します。優れたチームが優れたソフトウェアを生み、優れたビジネス成果を生み出すのです。

2つ目の理由は、業界が常に変化しているためです。たとえ今あなたのエンジニア組織が最先端にいたとしても、いつかは画期的な新しいアーキテクチャ、ツール、またはプロセスが出てきて、それを全員に採用してもらいたいと望むことになります。影響を与える方法や新しいスキルを教える方法を知らなければ、それは厄介な作業になるでしょう。 ...

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