詳解 Terraform 第3版 ―Infrastructure as Codeを実現する

2章Terraformをはじめよう

この章では、Terraformの基本的な使い方を学んでいきます。Terraformは学習が簡単なツールなので、初めてのTerraformコマンドを実行するところから、サーバクラスタとそれらにトラフィックを分散するロードバランサをTerraformでデプロイするところまで、これからの40ページにわたって取り組んでいきます。これは、スケーラブルで可用性の高いWebサービスを動かすためのちょうどよいスタート地点です。次章以降では、この環境をさらに拡張していきます。

Terraformを使うと、Amazon Web Services（AWS）、Azure、Google Cloud、DigitalOcean、さらにはOpenStackやVMwareのようなプライベートクラウドや仮想化プラットフォームにまたがってインフラを設定できます。この章以降で使われるサンプルコードのすべてで、AWSを使用していきます。AWSは、次のような理由からTerraformを学ぶには最適だと言えます。

• AWSは最も人気のあるクラウドインフラプロバイダです。クラウドインフラの市場において32%のシェアを持ち、これは2位以降の3つの競合サービス（Microsoft、Google、IBM）を合わせたよりも大きなシェアになっています†1。
• AWSは、仮想マシンをデプロイできるAmazon Elastic Computing Cloud（Amazon EC2）、仮想サーバのクラスタを簡単に管理できるAuto Scalingグループ（ASG）、仮想サーバのクラスタにトラフィックを分散するのに便利なElastic Load Balancing（ELB）など、信頼性が高くスケーラブルなたくさんの種類のクラウドホスティングサービスを提供しています ...