5章

GC含量の計算:FASTA形式ファイルのパースと塩基配列の分析

 第1章ではDNA配列に含まれるすべての塩基数を数えました。この演習では、Rosalind GCページ(https://oreil.ly/gv8V7)での説明通り、配列内のGCを数え、配列の長さで割ってGC含量を求めます。GC含量は様々な場合において役に立つ情報です。分子生物学ではGC含量が高いほど相対的にDNAの融解温度が高いことを示し、タンパク質をコードするDNA配列はGCリッチな領域に存在する傾向があります。GC含量の計算には多数の方法がありますが、いずれもBiopythonを使ってバイオインフォマティクスの主要なファイル形式であるFASTAファイルを解析することから始まります。ここでは、Bio.SeqIOモジュールを使ってファイル内の配列を繰り返し処理し、最も高いGC含量を持つ配列を特定する方法を紹介します。

 この章では以下のことを学びます。

  • Bio.SeqIOを使ってFASTA形式をパースする方法
  • STDIN(スタンダードインと発音)の読み方
  • リスト内包表記やfilter()map()関数を使ってforループの概念を表現するいくつかの方法
  • 大きなファイルを解析する際のメモリ割り当てなど、実行時の課題に対処する方法
  • sorted()関数の詳細
  • フォーマット文字列にフォーマットの指示を入れる方法
  • sum()関数を使って数字のリストを加算する方法
  • 正規表現を使って文字列内の特定のパターンの出現回数をカウントする方法

5.1 はじめましょう

 このプログラムのコードとテストはすべて05_gcディレクトリにあります。このプログラムをgc.pyhttps://docs.python.org/ja/3/library/gc.html ...

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