1章Pythonの紹介

Pythonは定評のある汎用プログラミング言語であり、その作成者であるGuido van Rossumによって最初にリリースされたのは1991年のことである。この安定かつ成熟した高水準言語は、動的で、オブジェクト指向で、クロスプラットフォーム対応という、開発者にとって非常に魅力的な性質をすべて備えている。Pythonは、macOS、Linuxをはじめとする最近のほとんどのUnix系OS、そしてWindowsで動作する。また、少し調整が必要であるものの、モバイルプラットフォームでも動作する†1

Pythonはソフトウェアライフサイクルのすべてのフェーズ —— 分析、設計、プロトタイピング、コーディング、テスト、デバッグ、チューニング、文書化、そしてもちろんメンテナンス —— で高い生産性を発揮する。この言語は何年にもわたって着実に人気を獲得し、2021年10月にはTIOBEインデックス†2で首位に立っている。現在、Pythonに精通していることはすべてのプログラマにとって有利な条件となる。ほとんどのニッチ分野に食い込んでいるPythonは、あらゆるソフトウェアソリューションで重要な役割を果たしているからだ。

Pythonは、エレガントで、シンプルで、実用的で、驚くべきパワーを秘めている。Pythonには一貫性と規則性があり、標準ライブラリが充実していて、すぐに利用できるサードパーティのパッケージとツールが揃っているため、生産性をすぐに向上させることができる。Pythonはすぐに覚えられるので、プログラミングの初心者にうってつけだが、高度な知識を持つエキスパートにとっても十分に強力である。

1.1 Python言語

Python言語は、必要最低限とまではいかないものの、実用性を考慮して、無駄のない作りになっている。言語がデザインを表現する方法を1つ提供しているなら、他の方法を追加してもあまり意味はなく、せいぜいメリットが少し増えるだけである。むしろ、機能の数が増えればそれだけ言語は複雑になっていく。複雑な言語は単純な言語よりも覚えて使いこなすのが難しい(そして、バグを埋め込まずに効率よく実装を行うのも難しい)。言語の複雑さや奇抜さはソフトウェア開発の生産性の妨げになる。大勢の開発者が共同で作業していて、多くの場合は、元々は他の人が書いたコードをメンテナンスする大規模なプロジェクトでは特にそうである。 ...

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