2章字句構造

プログラムの記述方法を規定する基礎的なルールの集まりを、プログラミング言語の字句構造と呼びます。例えば、変数名の表記法、コメントの区切り文字、複数のプログラム文の区切り方などを規定するものです。本章ではJavaScriptの字句構造について説明します。本章で説明するのは以下のような内容です。

  • 大文字小文字の区別、空白、改行
  • コメント
  • リテラル
  • 識別子と予約語
  • Unicode
  • 省略可能なセミコロン

2.1 JavaScriptプログラムのテキスト

JavaScriptは、大文字と小文字を区別します。キーワードや変数、関数名、識別子で、大文字と小文字は厳密に区別されます。例えば、whileキーワードであれば、必ず小文字で入力しなければなりません。「While」や「WHILE」は無効になります。言い換えると、onlineOnlineOnLineONLINEは、それぞれ異なる変数名として扱われます。

JavaScriptは、プログラム内のトークンを区切る空白を無視します。また、一般的には改行も無視します(ただし、例外があります。それについては§2.6を参照)。つまり、プログラム内に空白や改行を自由に挿入できます。インデントを施してプログラムを整形することで、コードを読みやすくすることができます。

通常のスペース文字(\u0020)のほかに、タブ(\u0009)やASCII制御文字、Unicodeのさまざまな空白文字も、JavaScriptでは空白として取り扱われます。また、JavaScriptは、改行文字、復帰文字、復帰文字と改行文字が連続する場合も、すべて行末記号として扱います。

2.2 コメント

JavaScriptのコメント記述方法は2通りあります。まず、JavaScriptは、 ...

Get JavaScript 第7版 now with the O’Reilly learning platform.

O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.