第Ⅳ部上級レベルのスキル

第IV部では、分散環境のコラボレーターたちが開発、共有しているリポジトリの間でコンテンツの変更を適切に伝えるためのさまざまな方法を取り上げていく。「13章 パッチ」では、メールという単純ながら効果的な方法でコード変更を共有するパッチのメカニズムを説明する。

14章 フック」では、一部のGit操作で標準の実行フローを拡張するフックを取り上げる。これは、日常的な作業でGitの標準的な動作を超えるカスタム実行フローを実装しなければならないときに役立つメカニズムだ。広く使われているGitホスティングプラットフォームは最新の開発ワークフロー機能をサポートするようになってきているが、このテクニックを知っていれば、Gitの標準機能だけではすぐに実現できないワークフロー機能が必要なときに秘策を生み出せるようになる。

15章 サブモジュール」は、プロジェクトをモジュールに分割し、個々のモジュールを別々のGitリポジトリで管理しなければならなくなったときに役立つ内容になっている。この目的のために使われる2種類の方法を取り上げ、それぞれについて依存するGitリポジトリを参照するための方法を示す具体的な例をお見せする。「16章 高度な操作」では、それまでに身につけたスキルをさらに1歩先まで進めるテクニックを取り上げる。関連する変更をハンクというアトミックなコミットの塊としてまとめるテクニック、git rev-listコマンドの使い方、失われたコミットの探し方を説明する。この章のとっておきはgit filter-repoツールだ。git filter-repoは、リポジトリのコミットや履歴を修正、操作したいときに役立つ万能ツールである。十分な時間を使ってこの第IV部の内容をしっかりと身につけることを強くお勧めする。 ...

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