3章品質の維持
世の中にあるすべてのベストプラクティスや便利なアルゴリズム、パターンはコードが正しく動作しなければ意味をなしません。開発者は誰でも、最高の機能を持ち、バグが最小のアプリを開発しようとするものです。本章ではメンテナンス性、エラー防止、正しいコードの書き方をテーマとしています。
チームで開発を進める場合、ある開発者が作成したコードを別の開発者が使用することになります。新しい機能を追加したり、バグを修正したりすることになるでしょう。もしもコードの可読性が高ければ、それはメンテナンス性が高いといえます。つまり他の開発者が見てもわかりやすいコードだということです。たとえ開発を一人で行っているとしても、過去のコードを見直した時に新しい気づきがあるでしょう。メンテナンス性を高めておくことにより、新しく生まれるバグを減らし、迅速にタスクをこなすことができるようになります。バグが減るということはソフトウェアのライフサイクルコストが減ることでもあるので、付加価値を追加するような機能開発により多くの時間を割けるようになります。これが本章においてメンテナンス性に言及している理由になっています。
メンテナンス性と同様に、エラー防止は品質に関わる重要なものです。ユーザーがアプリケーションを使用する際、ユーザーは開発者が想像もしないようなバグに遭遇することがあります。「レシピ3.1 ユニットテストの作成」や「レシピ3.4 NullReferenceExceptionからコードを保護する」のレシピでは必須となるようなツールを紹介しています。特定の例外を処理する機能も重要なので、あわせて説明しています。
品質に関連するもう1つの項目としては、コードが正しく記述されていることを保証することで、そのためにはユニットテストが不可欠です。ユニットテストは広く知られていますが、それだけで問題が解決できるわけではありません。多くの開発者はいまだにユニットテストを作成しません。しかし重要であることには変わりないため、最初のセクションではまずユニットテストの作成方法から説明します。 ...
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